なぜズルいと思ってしまうのか
苦労して難しい仕事をしているのになぜ給料が上がらないのか、楽して仕事しているあの人の方が待遇がいい。「ズルい」じゃないかと思うのはよくあることだ
「ズルい」から受ける印象は概ねネガティブだ。自分だけ損しているという嫉妬めいた感情、もしくは自分のどこがいけないのかという自己嫌悪といった負のイメージが強い
「ズルい」は忌避すべき感情なのだろうか。そうともいえないときもあるのでないか
「ズルい」との付き合い方を書いてみることにする
ズルいという感情はよくないのか
「ズルい」の感情はどこから生まれてくるのか
あの人はズルいと思ったとき、「あの人」と「自分」との間のギャップを認識し、それが「ズルい」思いを生み出す
それらギャップが発生する理由は様々にあるだろう
- 運のいい悪い
- 不公平
- 才能があるない
どういった理由であれ「あの人」のようになりたいけど、そうはなっていないジレンマが「ズルい」感情を引き出すのではないだろうか
とすれば「ズルい」感情は「あの人」のようになれるなら解消するのではないかという仮説が成り立つ
では、なりたい「あの人」とは何なのか、なぜ自分はそう思うのか
いや待てよ。そもそも、なりたい「あの人」は本当にあなたがなりたい「あの人」なのだろうか
前提から考えてみよう。主観的な「ズルい」感情を客観的な視点でより深く考えていくとどうなるだろう
「ズルい」はどこから来るのか
あなたの「ズルい感情」の起点がどこなのかを遡って考えてみる。「ズルい」の源を理解する。そして、ズルい感情とのよりよい付き合い方を探り出そうという話である
概ね以下の3つが「ズルい」の根源ではなかいかと思われる
①損得勘定から生まれる「ズルい」
②不公平の不満から生まれる「ズルい」
③美徳の不足から生まれる「ズルい」
具体的なケースを挙げてみたい
①損得勘定から生まれる「ズルい」
同じだけ働いているのに給料が少ない、損するのはイヤだ
②不公平の不満から生まれる「ズルい」
年功序列で給料が決まるなんてズルい
③美徳や一般善ではないことから生まれる「ズルい」
部下の手柄を自分のものとして昇格したアイツはズルい
「ズルい」との付き合い方
あなたは「ズルい」と思った「あの人」に本当になりたいのだろうか。いや違うのではないか
客観的な角度から「ズルい」と思う「あの人」ではない本当になりたい自分を見つけ出すのだ
①損得勘定から生まれる「ズルい」
同じだけ働いているのに給料が少ない、損するのはイヤだ
→ 楽して多くの報酬を得たいのであれば、それがあなたのなりたい姿。「そうなるための工夫や努力」をしていけば「ズルい」と思う暇もない
→ 逆に、困難にめげず働くことで得たスキルや経験で人間力向上できるのだ。自己投資なら、もはや「ズルい」感情は消え去る
②不公平の不満から生まれる「ズルい」
年功序列で給料が決まるなんてズルい
→ 年齢に関係なく実力や実績で給料が決まるべきだと思うなら、働く環境を変えるのもよい。「ズルい」感情は消えるだろう
→ 逆に、年齢を重ねれば確実に給料が上がるという確実性を重視するなら今の環境で年を重ねればよい。「ズルい」は「安心感」へと気持ちが変わっていくかもしれない
③美徳や一般善ではないことから生まれる「ズルい」
部下の手柄を自分のものとして昇格したアイツはズルい
→ 自分もそうなりたいのであれば、「アイツ」から謙虚に学び成長を目指すべきかもしれない。「ズルい」は「憧れ」に感情に変容する場合もあるだろう
→ 逆に、「アイツ」のやり方は間違っていると思うなら、あなたが思う正しい方法やプロセスで実績を上げることに注力するのもよい。「ズルい」は「モチベーション」へと変わるかもしれない
「ズルい」はネガティブな感情ではあるが、それを出発点として自分の進むべき道を探るに資するパーツでもある
そう、「ズルい」感情は、そうなりたい自分とは何なのかを知る羅針盤なのだ
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